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2025年12月10日

建物に命を吹き込む「建築設備」のシゴトとは

#TAISEI's NOTE

 大成設備 東京支店工事部工事課の青山潤さん(右)と宮口晃一さん(左)
大成設備 東京支店工事部工事課の青山潤さん(右)と宮口晃一さん(左)

文:くらしと街のコンシェルジュ編集部

わたしたちの日々の生活の中では、手を洗う、料理をする、トイレを使う、暑い時や寒い時にエアコンをつける、暗いところであかりをつける、テレビを見る、といったことを何気なく行っています。そこでは「水」「空気」「電気」などがそれぞれの目的に応じて働いていて、わたしたちの生活を助けています。こうした見えないインフラを通じて、安全で快適な暮らしを支えているのが「建築設備」です。

今回はそんな建築設備のシゴトの魅力ややりがい、そして未来について、大成建設グループ・大成設備株式会社の青山さん、宮口さん(共に東京支店工事部)にお話を伺いました。

人の営みを支える、目に見えない建築設備

 リニューアル工事の現場。普段は隠されている配管やダクトがよく見えます
リニューアル工事の現場。普段は隠されている配管やダクトがよく見えます

編集部:建築設備とはどういうものか教えてください。

青山さん:建築設備は、衛生設備、空調設備、電気設備に分類されます。大成設備は、これらの分野を専門として設計・施工を行っており、新築および改修のほか、関連する内装工事も含めた施工をワンストップで提供できる体制を強みにしています。空調設備では空調(エアコン等)と換気(全熱交換器、換気扇等)、衛生設備ではトイレ・キッチン・浴室等の水回り、電気設備では照明・コンセント等を施工しています。

 天井裏の空調機および配管
天井裏の空調機および配管

建築設備とは、建物にとってどのような存在でしょうか。

青山さん:建築設備は人の営みに必要な水や電気、ガスを建物の隅々に送り届け、下水・汚れた空気などを外へ運び出す役割を果たしています。それは人体でいうと、栄養分や酸素を身体中の細胞に運び、不要な二酸化炭素などを回収する「血液」にあたり、建物が機能するのになくてはならないものです。

 青山潤さん(入社26年目)
青山潤さん(入社26年目

建築設備の仕事に就こうと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。

宮口さん:設備分野は建築学科の専攻分野の一つで、学んでいくうちに建物を建てただけでは機能しないということがわかり、建物の快適性や機能性を支える設備という仕事の奥深さに魅力を感じました。

   宮口晃一さん(入社7年目)
宮口晃一さん(入社7年目

どのような時に、やりがいを感じますか。

青山さん:苦労の多い物件は大変ですが、その分完成した時の充実感は大きいです。私の上司である工事課長は、担当していた物件に温泉施設があったのですが、限られた予算内で適切なシステムを提案、施工したそうで、その時のことを「自身で計画、提案したものが形になっていくのは、やりがいにつながる」と話してくれました。

建築設備の難しさはどのような点でしょうか。

青山さん:現場には、建築工事、設備工事等それぞれの現場担当者がいますが、設備担当者は建築や機械設備、電気設備といった幅広い知識と経験が必要で、現場ごとに異なる対応が求められます。また、工事全体の大きな流れの中で、試運転を含む適切な設備工程を確保して、高品質な設備を引き渡すのは大変な部分だと思います。

青山さん、宮口さん

「試運転」は大切ですか。

青山さん:はい。設備を施工した後、天井や床等の仕上げ工事が入り、最後に設備の試運転を行います。建築設備の施工は、建築の躯体工事と仕上げ工事の間に入るため工程管理が難しく、特に建築工事の遅れが試運転の工程に影響することが多いです。仕上げ工事の後でミスや手戻りが許されないため、神経を使う場面が多いですね。

 複雑な工程を把握するため、工程表は日々更新・調整されます
複雑な工程を把握するため、工程表は日々更新・調整されます

他にも心がけていることはありますか?

青山さん:建物設計時に設備設計図も作成されますが、施工時はその設備設計図に基づき、配管サイズやルート、空調や換気がその部屋に対して足りているかどうか等、各種計算のうえ再検討し、施工するようにしています。防災設備に関しては、法律で厳しく基準が定められており、法令遵守が必須です。施工中も、設計・建築との間で効率や合理性を考慮した提案や調整が頻繁に行われるため、工事に関わる他の部門の方とより良い関係性を築くことを心がけています。

新たな建物が生まれる、建築設備のリニューアル

 現場で静かに待機する一人乗りの高所作業車
現場で静かに待機する一人乗りの高所作業車

編集部:大成設備では、設備のリニューアル工事も主力業務として施工されているのですよね。

青山さん:はい。通常、コンクリート造の建物は 60年~100年保ちますが、設備機器はそれより早く約 15年前後、配管類では 30年前後で更新時期になります。建物を解体して再度新設するのは大変な労力・時間・コストが掛かるため、設備のリニューアル工事は必要不可欠です。設備を更新した建物は性能が向上して生まれ変わります。

省エネ技術によるCO2削減の観点からも重要ですね。

青山さん:そうですね。より環境に配慮した設備に更新することができます。特に空調設備は電気代の半分近くを占めることが多いので、老朽化した設備を更新することで高い省エネ効果が期待されます。

 天井裏には、ダクトのほか、加湿器用の給水管、エアコン室内機用の冷媒管、ドレン管などが納められます
天井裏には、ダクトのほか、加湿器用の給水管、エアコン室内機用の冷媒管、ドレン管などが納められます

 配管には結露を防ぐためのグラスウール保温材と亀甲金網が巻かれています
配管には結露を防ぐためのグラスウール保温材と亀甲金網が巻かれています

今日お邪魔している現場では、どのようなリニューアル工事が行われていますか。

宮口さん:築45年の倉庫で、現在は事務所ビルとして利用されています。今回のリニューアルでは全テナントが一度退去し、内装・設備機器を全面的に入れ替え、省エネ効果の高い最新空調機器へ更新して新たな建物を生み出すというのが最大の特徴です。

古い機器の入れ替えがあるのですね。

青山さん:はい。大型機器の搬出入には、綿密な計画と警察への道路使用等の許可取得が必要です。今回は土曜日の夜間に隣接する橋を封鎖して、屋上に設置していた室外機200300kg/基)10基を100トンクレーンで撤去しました。大型機器の搬出入や夜間作業は豊富な現場の経験と確かな計画力が必要です。

宮口さん

リニューアル工事の難しさにはどのようなことがありますか。

青山さん:既存設備を生かしながら更新する場合は、古い配管と新しい配管の切り替えのために仮設配管やバイパス設置などの工夫が必要で、制約が多く難易度が高くなります。新築工事と違って工事着工から竣工まで短期間で工事を行うため、タイトな工程で工事を完了させなければならない厳しさもあります。そして何より、「見えないものを視る目」が必要となります。

「見えないものを視る目」とは?

青山さん:リニューアル工事の現地調査では、天井や壁の中にあって見えない配管やダクトがどう納められているかを予測して工事計画を立てる必要があるのです。 

躯体(コンクリート)の壁に穴を開けて配管を新しく追加する時などはどうするのでしょう。

青山さん:壁の中の配管や鉄筋を避けて穴を開けないといけないので、壁を X線で透過して適切な位置を決定します。

 X線で透過して躯体中の鉄筋の位置(青いテープ)を調査し、壁にダクト用の穴を開けた部分
X線で透過して躯体中の鉄筋の位置(青いテープ)を調査し、壁にダクト用の穴を開けた部分

建築設備だから叶う、サステナブルな社会

青山さん

編集部:昔と比べて、設備の技術はどのように進歩しているのでしょうか。

青山さん:配管は素材の進化によって熱や腐食・漏れに強くなり、高寿命な製品が出てきています。設備機器については、省エネ、ライフサイクルコストの低減が見られ、メンテナンスについても、新築時に機器、配管等の更新を考慮した納まり、計画を提案することで、更新の際に余計なコストが発生しないよう考慮されるようになりました。

あらかじめ設備の更新を想定して建築するのですね。

青山さん:近年では建物のエネルギー消費の多くは設備が要因となっており、建物の資産価値やライフサイクルコスト、快適性の面でも設備の重要性が理解され、建築と設備が一体となることで、高品質な建物を提供できるという意識が広がっています。

人の営みに直結する建築設備だからこそ貢献できる社会課題はありますか。

青山さん:設備機器の進化による省エネ効果が大きいので、国の方針「 2050年のカーボンニュートラル達成に向けた CO2削減」において、設備部門が大きく貢献しています。

   施工が進んでいく様子。左から「天井や床、古い設備を外した躯体だけの状態」、「天井に新しい設備を設置した状態」、「天井や床の仕上げ工事が進んでいる状態」
施工が進んでいく様子。左から「天井や床、古い設備を外した躯体だけの状態」、「天井に新しい設備を設置した状態」、「天井や床の仕上げ工事が進んでいる状態」

会社全体としても取り組んでいることはありますか。

青山さん:工事や輸送時にも省エネを意識し、車両利用の削減や電源管理など現場ごとに省エネ項目を設定しています。今後は、サブコン(設備工事会社)業界でも影響力をもつ会社になれるよう、現場の第一線を担う我々がより高い意識で業務を行い、より良い建築業界にすべく努力していきたいと思います。最近はゼネコン(建設会社)とサブコンの連携も積極的に行われています。次世代の担い手不足等、今後の課題もありますが、人々が豊かで文化的に暮らせる社会づくりに貢献するべく努めていきたいと思います。

 青山さん、宮口さんありがとうございました

茹だるような暑さの中、現場では1時間おきに休憩を挟み、全員の体調を管理しながら作業が行われました。「私たちの仕事は建物に命を吹き込むことだと思っています」と取材中に語られた、静かながらも熱のこもった眼差しが印象的でした。


大成設備株式会社
Interview PhotoHokuto Shimizu