TAISEI GROUP PROJECT
大成建設グループ くらしと街のコンシェルジュ
大成建設 Technology & Solution テクノロジー&ソリューション(テクソル)

大切な命と暮らしを守る“絶強”のコンクリート住宅「パルコン」。その“絶強”の秘密とは?

2022.09.22

文:くらしと街のコンシェルジュ編集部




「地震に強い」「どんな風にも耐える」「水害にも強い」「再生力も高い」「火災に強い」「大雪が降っても心配無用」という並外れた災害に対する強さ。さらには「遮音性が高い」「屋上を利用しやすい」「耐久性が高い」「気密性が高い」「環境に優しい工法」「強くて高性能な鉄筋コンクリート造(賃貸住宅)」といった性能の高さを備えた住宅として評価され、実際に度重なる自然災害の中で住人の大切な命と暮らしを守り抜いてきた、コンクリート住宅「パルコン」。


その信頼のクオリティが、どのように担保されているのか。東京支店建築部・工事管理グループリーダーの藤井竜彦に、「パルコン」のモデルハウスがある駒沢公園ハウジングギャラリー(東京都)で話を聞きました。

駒沢公園ハウジングギャラリー内、「パルコン」のモデルハウス。吹き抜けの天井の採光窓からたっぷりと太陽光が降り注ぐ、開放的で明るい空間が広がる。 快適にして、住まう人の命を守る“絶強”「パルコン」から生まれるそのコンクリート住宅は、自然災害の多い日本における頼れる住まいだ。


家族の命と財産を守る住宅「パルコン」が、全国に増え続ける理由




藤井が担当するのは、新築物件の安全や品質、施工手順を含めた現場管理一式。他にも、グループメンバーが担当する物件で配筋検査や躯体検査などが行われる際には、その検査員の役割を担うことも。胸に付けたバッジにある「安全よし! 品質よし! 環境よし!」というモットーを、まさに地で行くような仕事内容だといいます。


「いま、社を挙げて取り組んでいるのが、廃棄物の削減。そのために、現場加工を極力減らし、できるだけ工場内で部材を用意できるように全体のプロセスを見直しています。ひいてはそれが工期短縮、コスト削減にもつながり、地球にも人にも優しい取り組みとなるものと考えています」


そうしてつくられる大成建設ハウジングの「パルコン」は、果たして、何がどう“絶強”なのでしょう?


「地震、津波、火災に対し、とにかく強いのが『パルコン』です。これまで実際の災害に遭った住宅を検証しても、窓ガラスやサッシといった部分に損傷はあっても、大切な躯体が壊れなかったために、その後の復旧がスムーズに運んだというケースが多く報告されています。


2011年の東日本大震災で被災した、ある『パルコン』の事例では、津波に耐え、その後に押し波、引き波により流れた家屋が集まり、その瓦礫から発生した火災にも耐え抜きました。また、津波により浸水したある『パルコン』の事例では、水が引いた後に外装と内装を直すだけですぐに復旧して住めるようになり、住人の大切な命と財産を守りました。そうした実績の数々が、『パルコン』の絶対的な強さの証となっているのです」

耐震実験の現場から。厳しい審査とテストが繰り返される。

ではその“絶強”の秘密は、どこにあるのでしょうか?


「一般的な木造住宅ですと、柱と梁で構成されているので地震の際は揺れと一緒になって家全体も大きく揺れ動きます。また、さらなる揺れで大きな力を受けると、衝撃で基礎から抜け外れてしまうという事態も。


それが『パルコン』になると、躯体全体がひとつの塊として地面にしっかりとくっついているわけです。施工の際、パルコン板とパルコン板の間にグラウトという充填材が注入され、竣工した家は全部丸ごと一体化した塊になっているというイメージをしていただけると、分かりやすいでしょうか。では地震の際にどうなるのかというと、家一軒そのままひとつの塊として揺れますし、揺れても強いという、まさに地震の多い日本にぴったりの住宅といえるのです。


実際、マグニチュード9.0を記録した東日本大震災の際も、宮城県内の津波浸水地域に建っていた全83棟のパルコンは、その全てが津波に耐え、1棟も流失しませんでした。

津波で押し寄せる瓦礫を食い止めた「パルコン」。

『パルコン』のコンクリートパネルには、36N/㎟という高い設計基準強度のコンクリートが用いられていますが、実際に測定した強度は、それ以上の数値が出ることも。一般の方にはピンと来ない数値かもしれませんが、シンプルにとても『強い』と考えていただければ」



災害に対する強靭さはそのままに、暮らしやすさも向上




そんな「パルコン」が体現するのが、「レジリエンス」という価値です。


「レジリエンスとは、災害時における強靭さと、災害直後からの再生力という2つの意味を持ちます。『パルコン』は工場生産によって可能となる高品質なコンクリートの構造体を持っているので、災害に対して非常に強い建物であるという、多くの実績に基づいた事実があります。また火災についても、外部だけではなく内部の火災にも強いことが実証されています。この躯体の絶対的な強さが、再生力という次の強さに繋がっているのです。結果、その強靭さが認められ、『パルコン』は『ジャパン・レジリエンス・アワード2020 強靭化大賞』を受賞しています」

『パルコン』のコンクリートパネルが組み合わされ、生まれていく“絶強”の住まい。地震や津波、台風、水害、そして火災にも耐えうる驚きの強さを誇る。

そのように、すでに広く認められた「パルコン」ですが、およそ10年前に、「パルコン」から「パルコン マックス」としてグレードアップした際には、ダクトを設け進化した換気システムを採用。気密性を高めながら、かつ安全安心な換気を叶えています。“絶強”というハードなイメージの陰で、家の中での暮らしやすさも向上させていたのです。



大成建設グループ企業としての誇りと進化




「パルコン」をつくり、未来に向けてさらに進化させていくために重要なバックボーンとなっているのが、大成建設ハウジングが大成建設グループ企業であるという事実だと藤井は言います。


「実は、スーパーゼネコンの中で住宅メーカーを持っているのは、大成建設グループだけなんです。当社では、規模のもっと大きな建築を手がける大成建設での研修プログラムを実施しています。具体的には、若手社員を大成建設の検査の現場で研修に当たらせ、大きなスケールや内容の仕事に触れさせています。私自身も何度か大成建設の現場に赴いたことがあるのですが、そこで学んだことは、とてもためになるインプットになりましたね」


そしてその先にあるのが、大成建設グループ企業としての大成建設ハウジングで働く“誇り”であるとも。


「すでに半世紀を超える長きにわたって、先輩たちが築き上げてきた『パルコン』に関わらせていただいているという誇りがあります。そして、更地の状態から工事が始まり、いつしか完成の日を迎え、お施主様に引き渡しをするという一連のプロセスに携われる誇りもあります。


引き渡し時に、そのお施主様から『ありがとう』の言葉をいただくと、それまでの辛さも吹き飛んでしまい、この仕事をやっていて良かったなと思えます。以前、とても苦労した現場があったのですが、引き渡しの日にお施主様が『ここまでやってくれると思わなかった。本当にありがとう』と言って涙を流してくださったことは、一生忘れられない思い出になっています」

はにかみながらも、まっすぐな眼差しで自身の仕事への誇りと愛情を語る、東京支店建築部・工事管理グループリーダーの藤井竜彦。日々、建築施工をチェックするにあたり携帯する仕事の7つ道具は、ホワイトボード、ライトペン、スケール2種と赤と青の製図用シャープペンシル、そしてあえて緑の油性ペン。筆記用具の色選びにはこだわりがある。

そうした誇りを胸に、今日も現場に立ち続ける藤井には、多忙な合間を縫って続けている、ある取り組みがあります。


「私たちの建築部では、いろんな勉強会を立ち上げています。私は『技術アッププロジェクト』の長を務めていて、若手社員たちと勉強に励んでいます。ここまで勉強できる環境の整った会社というのは、他になかなかないはずです。また当社を含め、大成建設グループ内では『水平展開』という言葉がよく出てくるんです。良いことも、そうでないことも、あらゆる情報を縦だけでなく横方向にも共有して、次に生かすのです。ひとつのミスを横方向でも共有し、同じことを繰り返さないようにケーススタディとしてきちんと振り返り、原因を分析し、改善を図る。進化していくためのヒントが、そこにあります」


“絶強”のコンクリート住宅「パルコン」が一朝一夕につくられたものではないことが、よく伝わるような藤井の言葉。そこから分かったのが「社員一人ひとりの強い想いが、強い住宅をつくる」ということ。大成建設ハウジングは、これからも進化し続けていきます。
mail_outlineお問い合わせはこちら